Lesson9-1 サウナでのマナーとは①

ここまで様々な視点からサウナへの理解を深めてきましたが、サウナの楽しみ方は人それぞれ、社会生活の中で与えられた役割にも、場所にも、形にも、とらわれることなく楽しめることも魅力の一つです。

ただし、サウナ施設の利用においては公共の場所であることを忘れてはいけません。

Lesson9では、改めてサウナで快適に過ごすためのマナーを確認します。サウナに慣れてきたからこそわかること慣れによって忘れがちなことなど、Q&A方式で出題していきます。

あなたはいくつ答えられるでしょうか?

Q1 – 結局、サウナのルールって何が正しいの?

A -「郷に入っては郷に従え」がサウナの基本

お風呂で泳ぐなんて言語道断!と思っていたら潜水していい水風呂があったり、広さに余裕がありそうなサウナ室でも人数制限があったり、ととのうためのスペースがなくて洗い場で休憩している人がいたり・・・。

「マナーを守って入浴してください」と言われるけど、結局本当に正しいサウナのルールってなに!?と感じている方もいるのではないでしょうか。

サウナの楽しみ方はひとつではなく、その方針は施設運営者やイベント主催者の考えによって幅があります。そのためサウナのルールについては、基本的には「郷に入っては郷に従え」、利用前に説明される注意事項を守り、その場のルールに柔軟に従うのが正解といえるでしょう。

入浴前に説明された内容に不足があったり、最新の情報が更新されていないこともあるため、利用する設備内の張り紙などを参考にするか、スタッフの方に確認するのがおすすめです。

他の利用者とコミュニケーションをとることも大切です。慣れていそうなサウナーを真似してみたり、声をかけてみるとローカルルールを教えてくれる場合もあります。ただし、相手がコミュニケーションを望んでいない場合には、無理に話しかけないようにしましょう。

「誰もが快適に過ごせるように」という心がけで過ごすことが大切です。

Q2 – 体調が悪い時こそ回復のためにサウナを利用したい!その判断基準は?

体調不良時のサウナ利用には注意が必要なことについては、Lesson3-1 サウナ入浴前の確認事項で確認しました。

サウナ室で体調が悪化した場合には命に関わる可能性もあるため、体調不良時の利用は基本的には控えましょう。とくに持病がある方は、主治医にサウナの利用について事前に確認しておくと安心です。

ただ、体調不調のときほど、サウナの回復効果に期待したくなる気持ちもあります。そこで、体調不良時のサウナ利用の判断基準を明確にしておきましょう。

A – 風邪気味の時・・・基本的にNG

風邪気味のときには回復を早めるためにサウナで汗を流したくなりますが、ウイルス性の病気飛沫感染や接触感染などで他者への感染の可能性があるため、サウナ利用はNGです。

また自己免疫が落ちている場合、自分がサウナで風邪や菌をもらうことがあります。このような場合には利用を控えるのが懸命です。

(※性感染症などは直接の接触なしに感染することはないため、サウナ内での感染は心配ありません。)

A – 飲酒時・・・基本的にNG

飲酒後のサウナ利用の危険性は、科学的に様々な指摘がされています。

アルコールには血管拡張効果があり一時的に血圧が下がりますが、サウナ利用でも血管が広がり血圧が下がるため、飲酒後のサウナ利用では急激な血圧低下が起こる可能性があります。

血圧が急に低下すると、意識を失う可能性がありサウナ内では大変危険です。長時間立ち上がれない状態が続けば熱中症や脱水状態となる可能性も高まります。

また、酔いを覚ますためにサウナに入りたいと考える人もいますが、アルコールの代謝には大量の水分が必要となるため、発汗作用のあるサウナでは汗によって水分不足となり、アルコールの代謝が遅れてしまうため逆効果となります。

お酒を飲んだあとは基本的にサウナはNG、飲酒はサウナ後の楽しみにしましょう。

A – 睡眠不足のとき・・・睡眠時間の確保が先決

寝不足で身体や脳の疲れを感じる時、サウナで疲労回復をはかりたい気持ちになりますが、この場合最も大切なのは睡眠時間を確保です。短時間の仮眠でもよいので目を閉じて横になりましょう。

ただ、どうしてもサウナを利用したいときには、サウナ室での時間をいつもより短くする意識を持ち、水分補給を十分に行ってください。また、施設内にある休憩所で仮眠をとってからサウナに入る、運転する方は帰宅前に休憩室で仮眠をとるなど、無理をしないことが大切です。帰宅後はすぐにベッドに向かいましょう。

サウナ室で眠ってしまった場合、脱水状態により会話ができなくなる立ち上がれなくなるなど、かなり危険な状態となり、最悪の場合はそのまま倒れてしまうことも考えられます。

そのような事態にならないためにも、睡眠不足の自覚がある場合のサウナ利用は、十分に注意して行うようにしましょう。

A – 運動直後・・・水分・ミネラル補給が先決

激しい運動で大量の汗をかいた後は体は水分不足の状態です。そのままの状態でのサウナ入浴は、脱水状態を引き起こす可能性があります。

サウナ前にまずは水分を摂取し、汗で失われた塩分などのミネラル類を補給するための塩飴梅干しなどを口にしましょう。スポーツドリンクでも同じ効果が期待できます。

A – 断食中や朝食抜き・・・栄養・水分補給をしてから

過度なダイエットで断食のような生活をしているときや、朝からなにも口にしていない時は、自覚がなくても水分不足の状態となっています。このままのサウナ入浴は脱水症状を引き起こしやすく、エネルギー不足により倒れる可能性もあり非常に危険です。

まずはたっぷりの水分を摂取し、消化の良い食べ物を口にして体調を整えてから入浴しましょう。

A – 月経時・・・月経後半に利用し、周りへの配慮を

経血量が多いときには、マナーとしてサウナ利用は控えたほうが懸命です

どうしても入浴したい場合には、経血量が少ない月経期後半で体調が安定しているときに利用しましょう。タンポンは雑菌が入りやすいため、月経カップの利用がおすすめです。座る場所にタオルを敷いて利用しましょう。

このほか、

・怪我をしてすぐ
・高血圧ぎみで治療をうけていない場合
・妊娠中

などは、自己判断せず医師に相談するようにしましょう。