Lesson1-1 サウナの誕生と歴史

サウナブームがなぜ起こったのかを考えるときに欠かせないのが、サウナの起源と歴史です。

サウナの起源からその奔流を見極めることで日本で起こっているブームについても、理解が深まります。

Lesson1では、サウナの誕生や歴史、日本への伝来やサウナブームについて学んでいきましょう。

サウナの誕生

サウナはどこで生まれたか、ご存知ですか?

サウナが誕生したのは、2017年に建国100周年を迎えたフィンランドが発祥の地とされており、「sauna」という言葉が、世界でもっとも多くの人に知られているフィンランド語だとも言われています。

諸説がありますが、
「フィンランド民族の間でサウナの利用が始まったのは今から2000年ほど前からではないか」と研究者たちの間では広く信じられています。

現代のサウナしか知らない私たちにとっては、「そんなに昔から、サウナなんて高度なものがあったの?」と驚くかもしれませんが、最初から今の形だったわけではありません。

サウナの歴史

サウナは、フィンランドのフィン族によって6000~7000年前に生み出された健康法が元になっていますが、時代とともに様々な進化を遂げてきました。

現在のサウナに似た小屋の形状になったのが2000年前であり、これがサウナの本格的な利用が始まったころであるとも言われています。

おおまかな年代ごとに、サウナの仕組みの変化を見ていきましょう。

■約6000年前 石器時代 – 洞穴サウナ(ダグアウトサウナ) —

約6000年前の石器時代に登場したサウナです。
動物の皮と木材で作ったテントの中に、積石をしたストーブを加熱して利用していました。
すべて自然の物を使って作られているのが特徴です。

■約3500年前 青銅時代 — 地中サウナ(アースサウナ)–

約3500年前の青銅時代に登場したサウナです。
丘の斜面を掘り地中に小部屋を作ることで、熱が逃げにくい構造になっています。小部屋内のストーブはそれまでと同じ用に石を積んで利用していました。

■約1500年前 鉄器時代 — 丸太小屋サウナ(コテージサウナ)–

約1500年前の鉄器時代に登場したサウナです。
小屋になった最初のサウナであるため、サウナの元祖とも言われています。
丸太小屋の中に、石で積んだストーブを設置して入浴していました。
サウナの原型とも言われており、その仕組みはスモークサウナ(※Lesson2-2フィンランド式サウナの特徴で詳しく学習します)とほぼ同じです。

■約400年前 西暦1600年代 — 煙突サウナ(チムニーサウナ)–

約400年前の西暦1600年代に登場したサウナです。
石積みストーブはなくなり、レンガとモルタルで作られた単一加熱ストーブが登場しました。
庭に建造されることから、ガーデンサウナとも呼ばれています。

■1920年代  — 家庭用サウナ —

西暦1920年代に登場したサウナです。
薄い鉄板製で薪焚き式の連続加熱ストーブが主流になりましたが、1950年頃から、電気加熱式ストーブへ移行していきました。

■1960年代 – 家庭用フラットサウナ —

西暦1960年代に登場したサウナです。
家庭用電気加熱式ストーブの量産が開始された頃で、スイッチを入れてから1時間でサウナに入れる手軽さにより家庭用サウナの普及に貢献しました。

■1990年代 – ホームスパ —

西暦1990年代に登場したサウナです。
蓄熱型新型ストーブが登場し、容器内にある大量の石を電気で加熱できるようになりました。
家庭用のホームサウナが普及しはじめ、小型なものからフルサイズの物までさまざまな種類が発売されました。


このように、サウナの歴史は古く、長い時間を経て私達が利用している現在の形に変化してきました。
次のセクションでは、サウナの日本への伝来から国内のサウナブームについて学んでいきましょう。