Lesson1-2 日本への伝来とサウナブーム

日本への伝来

サウナが日本へ伝わったのは、1956年メルボルンオリンピックがきっかけと言われています。

当時、クレー射撃の日本代表選手として出場していた許斐氏利選手が、海外の選手が利用していた蒸し風呂のようなサウナの存在を知り、帰国後に東京・銀座で開業していた「東京温泉」に導入したのが日本のサウナのはじまりとされています。

その後、一般向けにサウナが知られるようになったのは、1964年に開催された東京オリンピックが大きく関与しています。

フィンランドの選手が、滞在先である選手村へサウナの設置をしてほしいと強く希望したことでサウナ施設が建設され、世界各国の選手がサウナを利用するようになりました。

それに国内メディアが注目し、マスメディアによる報道が行われたことで大きなサウナブームとなったのです。

国内のサウナブーム

2019年頃を境にして、日本中で再び注目されるようになったサウナですが、実は以前からも日本ではサウナブームが繰り返し起こっていました。

日本におけるサウナブームは、年代によって大きく三つに分けられます。それぞれの特徴について確認してみましょう。

第一次ブーム

戦後のマンションブームでは、それぞれの住宅に「家風呂」が設置されるようになり、銭湯文化が急速に失われつつありました。それに伴い銭湯の利用者数も自然と減少していき、1964年の東京オリンピック以降に銭湯からサウナへの転業がみられるようになります。

その後、高度成長期の影響もあり、カプセルホテルゴルフ場など主に男性向けの施設にサウナが設置され、大きなブームとなりました。
この当時のサウナは日本式サウナとも呼ばれ、高温・低湿のドライサウナを中心として広まっていきました。

第二次ブーム

郊外にあるショッピングモールなどの複合施設が人気を集めていた1990年代には、健康ランドスーパー銭湯などの大型リラクゼーション施設が話題となりました。

一か所で複数の楽しみができるという話題性が注目された健康ランドやスーパー銭湯ですが、その楽しみの一つが施設に併設されたサウナでした。

前回のブームの際の設置場所が男性向けのものに偏っていたのに対し、第二次ブームでは主にファミリー層女性を中心にブームが起こり、サウナの愛好家層を広げていきました。

第三次ブーム

2019年頃のブームでは、それまでの日本式サウナ(高温・低湿)ではなくフィンランド式サウナ(中温・高湿)が話題となりました。

「ロウリュ(蒸気)」を使うことが特徴のフィンランド式サウナは、日本式サウナとはまた違った味があり、発祥の地であるフィンランドの本場仕込みの本格的なサウナが楽しめるとして、初心者からサウナ愛好者(サウナ-)まで、老若男女から人気を集めています。

まとめ

サウナの誕生は遥か昔のフィンランドであり、1956年のオリンピックをきっかけに日本に伝来したとされています。日本での歴史はまだまだ浅いものの、3回のブームを通じて様々な形で、少しずつ幅広い人たちにサウナ文化が浸透してきました。

これだけ長い期間、また形を変えて多くの人に愛され続けるサウナには、やはりそれだけ多くの魅力が詰まっているということ。

次からは、日本のサウナと世界のサウナについてそれぞれの特徴を学び、その魅力に迫っていきましょう。