Lesson4-4 医学的に注目されるサウナ

医学的な根拠に基づくサウナの効用

サウナの歴史は古く、ドイツでは治癒目的としてサウナ入浴に保険が適用された時代もありました。現在では世界中でサウナの効用についての調査が進み、医学的にもその効果が証明されてきています。

心臓や血管のトレーニング効果

ドイツでの調査によると、サウナの入浴はトレーニングと同様に心臓や血管を鍛えることができたという報告がされています。

25分のサウナ入浴と30分間の休憩が、中程度にエアロバイクを漕いだときの心拍数と同程度になることから、サウナが心臓や血管に与える負荷は、軽い運動〜中程度の運動負荷に相当しているという調査結果が出ています。
(※サウナと有酸素運動は別物です。サウナでは、筋肉への負荷や有酸素運動のような脂肪燃焼は期待できません。)

心臓病の予防効果

東フィンランド大学が行った調査では、週に4回以上のサウナ入浴を行う人と週に1回しか行わない人を比べたときには前者の方が、心臓突然死のリスクが63%低くなったとの調査結果が出ています。また、心筋梗塞狭心症にかかるリスクは50%低くなることが分かりました。

心臓病は、日本人の三大死因に挙げられる代表的な病気です。サウナ入浴を日々の習慣にすることで、これらの病気に関して予防効果が期待できる可能性があります。
(※現在何らかの病気の治療中である方や、服用中の薬がある方のサウナ利用については、必ず事前にかかりつけの医師へ相談しましょう。)

認知症・アルツハイマーの予防効果

サウナ入浴がアルツハイマーの発生予防になるという報告もあります。

東フィンランド大学の調査で、週に4回以上のサウナ入浴を行う人と週に1回しか行わない人を比べたときには、前者の方が、軽度の認知障害になるリスクは66%低くなりアルツハイマーになるリスクは65%低かったことが分かりました。

サウナと認知症やアルツハイマー病についての因果関係は完全に解明されたわけではありませんが、認知症やアルツハイマー病は高血圧や血管損傷・炎症、ストレスなどによって引き起こされるとされており、サウナはこれらの対策として有益なことから、間接的に認知症やアルツハイマー病の予防効果があるのではないかという見解がなされています。

風邪などの予防(免疫力向上)効果

オーストリアにあるウィーン大学では、週に2回以上サウナに入るグループとサウナに入らないグループについて風邪にかかった割合を6か月の間調査した研究結果が報告されました。

その結果、サウナに入るグループでは、入らないグループよりも約50%風邪にかかりにくかったことが判明しました。さらに後半の3か月は、その差がさらに明白になったことも分かりました。

つまりは、日常的にサウナに入浴することで免疫力がアップして風邪をひきにくくなったと考えられます。Lesson4-1サウナの効能①でも確認したように、サウナには身体の防衛機能や免疫機能を発揮させる効果が期待できます。

まとめ

Lesson4を通して学んだように、サウナの効用には「体」や「心」への様々なメリットが期待でき、さらに医学的な調査も進んでいます。サウナの熱により血流がアップすること、温冷と休憩の反復により自律神経が整うことなどは、サウナの基本的な効用として重要なポイントです。

さらに詳しい研究結果に興味がある方は、世界中で用いられているサウナについて目を向けてみてください。

Lesson5からは、仕事とサウナの関係について学んでいきます。なぜ仕事のできる人はサウナを愛するのか、実用的な内容も合わせて確認していきましょう。