現代人の「心」について

ここまではサウナの体への影響・メリットを学習してきました。では、ここでは視点を変えて、「心」にフォーカスしてみしょう。

ストレスの多い現代社会では、「体」だけではなく「心」の問題にも注意しなければなりません。とくに日々慢性的なストレスを感じているときには、イライラや抑うつ症状など「心」の問題が発生しやすくなります。

「心」の疲労は目に見えないため点検を怠りがちですが、気がつかないうちに蓄積していることもあるので、体と同様に定期的なケアが必要です。

サウナを利用することで起こる心の変化

サウナは身体的メリットに加えて、「心」に与えるメリットも注目されています。定期的にサウナを利用することで起こる「心」の変化とは、どのようなものなのでしょうか。

メンタルが安定する

ストレスが多い生活を続けていると、自律神経のバランスが乱れやすくなり心のバランスも崩しやすくなります。

前セクションでも学んだように、自律神経を整えるためにサウナ利用は有効です。心に余裕がない生活を過ごしていると感じたときには、積極的にサウナで自律神経のバランスを整えることで、心の安定を維持しやすくなります。

イライラしにくくなる

低温のサウナにゆっくり入ると、ストレスによる神経の高まりが少しずつ落ち着いていくのを感じることができます。これは、副交感神経が優位になっている状態であり、サウナ室を出たあとにゆったりとした休憩時間を過ごすことで、さらにリラックスしやすい環境になります。

日常的にサウナを利用している方は、ふと気がついたときには日々のイライラがなくなっているのを実感できることでしょう。

幸せを感じやすくなる

サウナ大国でもあるフィンランドは、2018年と2019年の調査において世界幸福度ランキングの1位になっています。

その理由にはいろいろな意見がありますが、日照時間が短く自律神経が乱れやすい土壌であるにも関わらず、日常的にサウナを利用する環境によって、心の健康が維持され幸せを感じやすくなるのではないかと言われています。

食事を美味しく感じやすくなる

心に余裕がないと、何を食べても味を感じません。逆に、食べ物を美味しく感じる時、同時に心が満たされていくのを感じる方も多いのではないでしょうか。

サウナに入ると発汗によって水分や塩分を失うため、積極的な栄養補給が必要となり様々な栄養素を体が求めます。普段よりも栄養の摂取に敏感になった体は食欲が増進するため、サウナ入浴後には何を食べても美味しいと感じるようになります。

普段は不足しがちなタンパク質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素を摂取して、心と体の回復に努めましょう。

このように、定期的なサウナ利用により心身ともにケアすることが可能です。心と脳、心と体はつながっており、両面からアプローチすることができるサウナは、忙しい人の回復スポットとしてとても効率的と言えるでしょう。

ここまでも様々なサウナの様々なメリットを挙げましたが、次のセクションでは医学的研究の観点から、解明されてきたサウナの効用について学んでいきましょう。