Lesson9-4 慣れた頃のサウナ注意点

サウナに頻繁に通うようになると、慣れからサウナ室での滞在時間が長くなったり、自分の体調チェックを怠りがちになります。このようなタイミングには、改めて注意が必要です。

ここではサウナ常連になったころに現れやすい注意点をみていきましょう。

Q1 – 息苦しさを感じたときは?

A – 無理をせず外にでて休憩を

サウナを日常的に利用するようになると、サウナ室内の暑さには慣れて過ごしやすく感じるようになりますが、油断は禁物。高温・低湿度ドライサウナは室内が乾燥しているため、喉に負担となりやすく、息苦しさを感じることもあります。

このような時には、外に出て休憩することが第一です。

乾燥が原因の場合には、体調が落ち着いたら、水で濡らして軽く絞ったタオルをサウナ室へと持ち込んでみましょう。塗らしたタオルを口元をおおうようにしてあてると、喉が潤うために呼吸が楽になります。

Q2 – 頭がぼんやりしたときは ?

A – すぐに退室し、横になって。予防にはサウナハットやタオルを頭部に巻いてみよう

サウナ室で長時間過ごしていると、頭部が高温になったことにより、頭がぼんやりすることもあります。このような時は、脱水症状を起こしている場合もあるため、無理せず退室し横になります。それでも症状が治らない場合には、助けを求めましょう。

予防のためには、濡れたタオルで頭全体を覆ってのサウナ利用が有効です。水風呂の水やシャワーを使って頭から水をかぶるのもよいでしょう。

サウナグッズを持っている人は、サウナハットを事前にかぶっておくと頭部に熱が集まるのを防ぐことができます。

Q3 – 水風呂にはできる限り長く浸かったほうがととのえる?

A – 長過ぎる水風呂は低体温症の危険も!

サウナに慣れてくると水風呂の冷たさにも慣れ、心地よく長い時間入浴することができるようになりますが、これは実は注意が必要です。

18℃程度の水風呂はサウナ後に心地よく、冷たすぎないため不快感もなく長い時間はいることができますが、徐々に身体の深層部の温度が低下し、気がついたときには低体温症になっている場合もあります。

これは10℃程度の低温の水風呂ではおこりにくい現象であり、サウナ初心者よりもサウナ常連者に起こりがちです。

長時間の水風呂のほうが「ととのう」というという科学的根拠はないため、時間としては1分程度を目安にしましょう。

Q4 – ととのえなくなってしまったら、どうしたらいい?

A – まずは冷静な原因分析を

第三次サウナブームで話題となった「ととのい」の気持ちよさを一度知ってしまった方は、この感覚が得られない状態になってしまうと大変戸惑うのではないでしょうか。

そもそも「ととのい」とは、温冷の温度差による身体不可を、休憩(外気浴)によって一気にリラックスへと開放することによって得られる感覚です。(※詳しくはLesson4-2 サウナの効用②参照)ただ、これは体調や基本、室温や水温によって微妙に変化していきます。

まずは原因を分析し、当てはまるものがあれば、次回改善して取り入れてみましょう。

・身体が温まりきっていない
→ サウナ前にお風呂に浸かる、サウナの時間を長くする

・手足が冷えている
→ 手足を温めてからサウナに入る。サウナ室で足を下段に降ろさない

・水風呂の時間が短い、もしくは長すぎる
→ 適正な時間を見つけてみる

・休憩中に身体が水滴で濡れている
→ しっかり拭き取る

・休憩スペースの場所を替えてみる
→ 外気温が低い場合には室内に変更する、静かなスペースを見つけるなど

・サウナに行く頻度が多すぎて慣れてしまった
→ しばらく間を開けてみる

・体調が悪すぎる
→ 体調を整えて再度挑戦する

・悩みが大きい、気になること多く集中できない
→ 原因を解決してから再度挑戦する

※「ととのい」を追い求めるあまり、サウナ室や水風呂での時間が長時間になりすぎると、熱中症や脱水症状、水風呂での低体温症を引き起こす可能性があります。過度の入浴には注意するようにしましょう。

A – 「ととのい」に固執しすぎないこと

「ととのう」という深いリラックス状態は、一度体感すると忘れられない感覚ではありますが、とても繊細なものでもあり追い求めすぎると逃げていく感覚もあるでしょう。

そのように感じる時には、「ととのい」に固執しすぎないことも大切です。原因分析と対策を行ったにも関わらず深いリラックスを感じられない時には、一度「ととのい」を手放してみましょう。

これは実はとても大切な感覚です。「ととのい」を追い求めることだけがサウナの楽しみではないこと、サウナにはいろいろな入浴法や楽しみ方があることを再発見するきっかけにもなります。

まとめ

サウナに慣れてきたころ、ふと思い浮かぶ疑問や体調の変化は誰もが通る道です。サウナのマナーや実用的な疑問、注意点などは、サウナに入り続ける限りなくなることはないでしょう。

そのような時には、一度基本に立ち返ったり、少し距離をおいたりして、新しい視点でサウナに挑戦してみましょう。