Lesson6-1 サードプレイスとは

Lesson6では、近年話題となっている「サードプレイス」とサウナとの関係について学習していきます。サードプレイスはビジネスパーソンに必要な場所として注目されていますが、実は現代に生きるすべての人に必要な存在かもしれません。

では、サードプレイスとはどのような場所なのでしょうか。

サードプレイスとは何か

サードプレイスは、「自宅や職場以外の、自分にとって心地の良い場所」のことです。1989年に米国の社会学者が著書で提唱した言葉であり、都市生活者が必要としている場所と言われています。

近年このサードプレイスに関しては、ビジネス用語として広く知られるようになりました。それは、日本の労働環境が背景にあるからでしょう。

厚生労働省の統計データによると、年間の自殺者数は近年約20,000人を推移しています。過労死という言葉が海外では日本独自のものとして受け止められていることもあり、日本の労働環境は、世界から見ても過酷なものとして知られています。

サードプレイスを提唱した1989年頃の米国では、自宅と家との往復で、活気やゆとりが失われている実感から、このサードプレイスという考え方を提唱したともいわれています。

自宅をファーストプレイス職場をセカンドプレイスとしたときに、サードプレイスは「コミュニティライフのアンカーとして創造的な交流が生まれる場所」と表現しています。

つまりサードプレイスは、自宅や職場とは異なる場所で利害関係を考えずに過ごすことにより、日常のストレスを緩和して自分らしさを取り戻せる場所といえるのです。

サードプレイスの特徴

米国の学者によると、サードプレイスには以下のような特徴があるとのことです。

・無料・安価に利用できる
・食事や飲食が提供されている
・徒歩でアクセスしやすい
・古い友人も新しい友人も見つけることができる
・習慣的に集まる
・心地よさを感じる
・フレンドリーさがある

地域のコミュニティとして期待されているサードプレイスですが、利用するための費用が高くなったりアクセスが悪かったりすると日常的に利用しにくくなってしまいます。
また、居心地の悪い空間や新しい友人ばかりと出会うような場所は過ごしにくさを感じるかもしれません。

適度にフレンドリー通いやすく習慣的に利用できるような場所がサードプレイスとして使いやすい場所となります。

アメリカで提唱され日本でも知られるようになったサードプレイスですが、実は日本には昔からこのような交流の場所が存在していました。次のセクションでは日本のサードプレイスについてみていきましょう。